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オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX(vol.3 -最終回-)

コロナ禍でのMinimalの1年間の振り返りとして、

「オンライン時代に、リアルとECをシームレスに体験できる、ものづくりブランドをつくるためのUX」について、全3回でお伝えします。今回はいよいよ最終話です。

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コロナ禍は、チョコレートやスイーツの提供価値が「食べた人を幸せな気分にする」である、という根源的な部分を見つめ直すきっかけになりました。

そして昨今の物理的に店舗に来づらい状況でオンライン販売を強化すると決め、いち早く工房増築を行い、組織変更し、職人達がオンラインに適した本格的スイーツ開発をしていきました。

初めて経験する店舗閉店

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いち早く決断と変更でだしたオンラインスイーツは運が良いことに多くの方々に届ける事ができ、好調に推移しました。

一方でコロナ禍で3月以降の店舗への来店人数が激減しました。

未曾有のパンデミックによって引き起こされた外出自粛は、特に繁華街は顕著でした。Minimal店舗の中でも銀座店池袋店は人通りの多い繁華街にあり、来店客数は激減しました。

その状況の中で、Minimalとしては苦渋の決断ではありましたが、店舗を閉店する事を決めて、銀座店・池袋店を閉店しました。

創業以来、店舗を閉店するのは初めての経験であり、お客様への申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

出来る事は誠実な対応であると思い、当たり前の事ですが、スタッフで決め事をしました。
それは閉店時間まで「次の日からも営業するつもりで、いつも通り最高の接客サービスを提供して感謝の気持ちを伝える事」です。

本当にありがたいことに閉店まで、各店に多くのお客様にお越し頂き、あたたかいお言葉を頂けた事は感謝の気持ちしかありません。スタッフ一同本当に嬉しい気持ちでした。そして、改めて本当に多くのお客様に店舗を、Minimalを愛して育てて頂いた事をかみしめました。本当にありがとうございました。

■UX的観点1:店舗を閉める事はお客様の利便性を奪う
どんな状況にしろ、店舗閉店は店舗に通って頂くお客様の利便性を奪うことである事を痛感しました。その部分を完全に補うことは難しいと実感したものの、感謝の気持ちを示すこと、富ヶ谷本店や上原店とオンラインへご案内をし、情報提供をきちんとさせて頂く事の重要性を理解しました。実はお客様は店舗ごとについて頂けている事が多く、Minimal他店舗情報やオンライン情報を意外にご存じないことも多く、店舗がなくなるときにきちんと情報提供しないといけません。

店舗閉店時にお客様に他店情報やオンライン情報を提供するはとても大事な観点です。そして、特にオンライン上で、初めて見た際にストレスのない情報提供をする事の重要性を痛感しました。

ブランドパーセプションのアップデート

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物理的に店舗にお客様が来づらい状況が想定される中で、店舗主体で行ってきたお客様とのコミュニケーションをオンライン上に移していく決断をしました。

ただ、店舗<<オンラインではなく、店舗もオンラインもできる限りシームレスにお客様のコミュニケーションコストやストレスを下げていく事を明確に目指しました。

当面店舗でのコミュニケーションが制限される中で店舗+オンライン強化、そしてありがたいことに少しずつステップアップしてるブランドの状況などを踏まえて、今からを第2創業として、変えられないモノと変えられるモノを整理してブランドパーセプションを再度アップデートを行いました。

そして、再定義されたキャッチコピーはこちら。

「引き算の哲学から生まれた、新しいチョコレートのおいしさ」
余分なものを引き算し、
カカオそれぞれの風味を引き立てる。
素材と真摯に向き合うことで生まれた
新しいチョコレートの体験を。

創業から大事にしてきたカカオの多様性や個性をダイレクトにシンプルに表現するということを“引き算“と表現しました。
Minimalの新しいAboutに全文がありますので、ぜひご覧下さい。

お客様にどんなブランドイメージを持って頂きたいかをディスカッションしていきました。そして、「素材感」「透明感」「クラフトマンシップ」などキーワードを出して、それはどんな写真で、どんなトーンのクリエティブで表現すれば伝わるかをすり合わせていきました。

■UX的観点2:本質的価値を考えて、顧客視点で定義する
今回パーセプションを考える際には、創業メンバーと共に再度Minimalの提供している(提供したい)価値は何かを考えて整理し直しました。そして、現在と将来という時間軸をおいて(事業成長やその際のポジショニングを考慮して)、その中でお客様にとってMinimalしか出せない価値は何であるかという顧客視点と内部視点を行き来しながら、本質的な提供価値を再整理しました。

オンラインサイトのリニューアル

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コロナ禍での重要な戦略であるオンライン販売。ブランドパーセプションをリニューアルしたことに伴い、サイトコンセプトも定義しました。

## サイトコンセプト
Minimalらしい「引き算」の哲学と、スイーツやチョコレートの美味しさを感覚的に捉えやすく、中の人の言葉で想いで伝え、快適に楽しく買ってもらえるECサイト

サイトのリニューアルの一番の目的は「UX(ユーザー体験)向上」

お客様が感覚的かつストレスの少ないオンライン体験をして頂けるための改善項目を洗い出しました。

色々なUIの改善を行いました。下記に例を記載します。

▼大枠の考え方_例
- Minimalの世界観に興味を持ってもらい、引き込む見せ方を追求する(ビジュアル・文章)
- 複雑な商品情報を整理をし、商品詳細ページに行かずとも、わかりやすく購買の意思決定に関わる情報がわかるようにする
▼具体的な改善_例
- Minimalのすべての根幹にある板チョコを丁寧に紹介(ブランドとしての意思表示)
- Minimalのスイーツラインナップを丁寧に訴求する
- 複雑な商品情報を整理をし、商品詳細ページに行かずとも、わかりやすく購買の意思決定に関わる情報がわかる
- 売り切れが多いので、売り切れ時は次いつから買えるのかがわかる
- Topicsはシーズンごと、かつ、ユーザーにメリットのある情報を提示

オンラインはデータログをきちんととることができるので、そのページの意図した改善結果が得られているかを検証することができます。
(2021年2月10日時点でフェーズ1が完了、ここからまだまだ細かく改善していく予定です)

■UX的観点3:アジャイルの思想で反応見ながら改善をスピードもって行うオンラインサイト
オンラインサイトリニューアルプロジェクトは全て完璧にしてからローンチすることはせず、フェーズをわけて行っております。優先順位をつけてリニューアルローンチし、仮説検証してお客様の反応を見ながらスピード感をもって改善するアジャイルの思想をベースにおいています。お客様にとって何がいいかはブランド側が考えても完璧にわかることはないので、お客様に聞く(反応を見る)が一番快適な改善をできると考えています。

目指すのは、「本格的オンラインスイーツと言えばMinimal」

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コロナが襲った3月にオンライン強化の戦略を打ち出してから、長い間議論をしながら21年1月にオンラインサイトのリニューアルフェーズ1を完了することができました。

目に見えるオンラインサイトが変ることがお客様とっては一番大事であり、なんとかバレンタイン前にローンチできたことに本当にほっとしてます。

そして、内部的な観点でいうと、Minimalとしてどこを目指して、そのためにどう組織が変化進化するかをスタッフが一丸となって行動に落として行けたことが一番の収穫でした。

オンラインスイーツはまだまだお客様にとって始まったばかりですが、6ヶ月連続で別商品だすスイーツチャレンジや限定品・シーズナル、クリスマスケーキなど20年3月~ここまでたくさんの新商品を投入したことで、お客様がオンラインスイーツに求めている事は何かを考えて多くのことを試行することが出来ました

今のオンライン戦略の目標はお客様に

「本格的なオンラインスイーツと言えばMinimal」

というパーセプションを獲得する事です。

そのためにお客様からフィードバックをもとに商品に様々な改善を行っています。

是非ともMinimalバレンタインラインナップを覗いてみて下さい。

*本当にありがたいことに第3話公開時点ですでにバレンタイン商品の多くの売り切れが起こっておりまして申し訳ありません。まだ富ヶ谷本店・代々木上原店には商品が何種類かご用意があります。ぜひ店舗へお越し下さい。
店頭の在庫状況はこちら

■UX的観点4:本格的オンラインスイーツの認知No,1をとることが大事
オンライン強化の中で、Minimalでは積極的にオウンドメディアでの発信を強化しています。まずは多くの発信をしてお客様の目に触れることが大事であると思っています。お客様との接触頻度が高くなればそれだけ想起をして頂きやすくなります。同時にメディアでの露出も積極的に仕掛けており、順調に掲載されています。自社SNSと外部メディアをミックスして情報を伝える事で、お客様のMinimalへのアクセッサビリティを高める事を目指しています。

お客様と一緒につくる作品がMinimal

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さて、「オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX」というテーマで全3回でお送りしたMinimal UX noteは今回で終了です。
いかがでしたでしょうか。

根幹なる考え方として、「Minimalはお客様と一緒につくる作品」という考え方があります。

僭越ながらですが、Minimalスタッフもお客様も一緒にMinimalをつくる仲間であり、つくり手であると考えております。

だからこそプラスの部分だけでなく、マイナスの失敗も赤裸々に、そして考えていることや大切にしていることをお客様と分かち合いと思っています。

また、Minimalの経験が同じようにコロナ禍で苦しんでいる、洋菓子やチョコレート業態、小売業態、メーカー業態の仲間の皆様に少しでもお役に立てれば嬉しいです。

■今回連載シリーズ「オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX」
Vol.1はこちら
Vol.2はこちら
 

Minimalチョコレートのオンラインストア


*この連載の一つのトピックスでもあるUXの改善を進めたHPです。ぜひその視点でもご覧下さい。

Minimalバレンタインページ

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