Minimal の"人"起点のブランド戦略 Vol.1「“人”が感じられるSNS」
Minimalは、ものづくりに心血を注ぐブランドです。
ものづくりを真ん中に据えてプロダクト造りを深めることを第一に運営してきました。
その上で、ブランド戦略としては“人”にフォーカスして、「プロダクト✖️人」の掛け合わせで続けてきました。
人は単なるモノの機能で買い物をするのではなく、そのモノを取り巻く情緒的な価値を含めた”コト”に共感して買い物をしたり、ブランドのファンになることが多いです。
では、その”コト”とは何かというと、モノをつくることも含めコトをつくりだすのは“人”です。
特にお店では、モノやサービスを売ることを前提にすると、それをコトとして売るにはそこに介在する人以上のメディアは無いのかと思います。
毎年バレンタイン時期の恒例となった、MinimalのUX note、今年は人を基軸にしたコンテンツ戦略、店舗展開戦略、商品開発戦略について、全3話でお伝えしていきます。
第1話は、人を基軸にしたSNSなどコンテンツ戦略についてです。
SNSは“人”感を一番大事に
Minimalでは、お客様にフェイスtoフェイスで“人”を介して"その人の言葉で"伝えるということを大事にしています。
なぜなら、人は「人からの伝達」に大きな影響を受けるためです。お客様のUXという意味でも“人”からの伝達を含むブランド体験を大事にしております。
「人が伝える」と言うと一見あたりまえのようですが、特にSNSでは強く意識しなければ、顔が見えないため無機質な発信に映ってしまいます。
また、「Minimalからお客様へ」に加えて、お客様による「口コミ」も、ブランドイメージに大きな影響を与えます。
お客様の口コミを、Minimalがコントロールすることはできませんが、「熱量とストーリーをもってブランドを語れる人」をお客様の中に増やしていく努力はできると考えています。
そしてお客様が「推してくださる」ブランドになることは、LTVが高まることに直結します。
キーワード1:人が出るSNS
まずは、失敗談から。
Minimalは創業時より「コミュニケーション」を重視するブランドとして運営してきましたが、当初のSNSでは必ずしも履行できていませんでした。
店舗での対人コミュニケーションに力を入れる中で、スタッフという“人”がいることでエンゲージメントが高くなることが分かってきました。
「ブランドは人」である、という視点に立ち、SNSにも人が出てくることの大事さに気づかされ、大きく戦略を変更しました。
現在Minimalでは4種のSNSを運用し、各メディアごとに内容を変えて発信しています。
一例ですが、同じ内容をX(旧Twitter)・Instagram・TikTokで振り分けた投稿です。
X
Minimalコアファンやスイーツマニアの方々に向けて知識系のコンテンツをメインに展開しています。カカオやチョコレートについて「一緒に考えましょう」というスタンスです。また、完売情報などリアルタイムな情報を最も発信しているメディアです。
InstagramとTikTok
直感的で「一緒に楽しみましょう」というスタンスです。
Instagramは「世界観」、TikTokは「楽しさ」「速さ」に主眼を置いてコンテンツ制作しています。
また、メールマガジンとLINEの配信も行なっています。
メルマガはMinimalファンの皆様(多くは一度利用いただいた方)に届けられることから、じつは最もCVR(コンバージョン率)が高いメディアです。
そしてこのところMinimalが力を入れているのが、インスタライブです。
新商品発売に合わせて代表・山下と開発担当者がトークをする配信や、店舗スタッフがフリートークをする配信など多岐にわたります。
ありがたいことに毎回コメントをたくさんいただきますので、視聴者のみなさまといただいたコメントで会話し、商品のこだわりなどを開発者から直接お話しながら、ワイワイ楽しく配信することを心がけています。
普段お客様と接している販売チーム以外のパティシエ・ショコラティエや、オンラインストア担当のメンバーも出演することで、Minimalの裏側も少しずつ知っていただけたらという思いで配信しています。
キーワード2:お客様もストーリーテラー
「Minimalからの発信」の次の段階として、お客様からの発信を考えてみます。
Minimalでは、「熱量とストーリーをもってブランドを語れる人」を「ストーリーテラー」と呼んでいます。ブランドのことが好きで、長い時間接し、深く理解していただける人を社内外で増やした結果が、お客様の口コミとして表れます。
口コミなどお客様による発信をUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)と呼びますが、美味しい商品はじめ、心地よい店舗や接客など豊かな体験があって、はじめてUGCが生まれます。
豊かな体験を含め、UGCにつながる施策を以下などがあげられます。
○商品:美味しさと、写真を撮りたくなる見た目(写真映え)
○店舗:心地よく、どこで撮っても写真映えする内装
○接客・リーフレット:誰かに話したくなる知識をご提供。また投稿を促すお声がけや、ハッシュタグの明記
○パッケージ:「開封の儀」が楽しくなるパッケージデザイン
○ハッシュタグ:シェアしやすい#を公式で用意( #MinimalChocolate )
○リツート:Minimal公式アカウントで#をリポストやいいね
サブスクリプションサービス(CHOCOLATE ADDICT CLUB)はコアなファン層が多いことから、ハッシュタグ(#chocolateaddictclub)で発信してくださるお客様が多いです。
毎月第2土曜日に届くため、その日になったら「今月も届いた!」「今月のが一番好き!」など同時多発的にUGCが発生します。
その投稿にMinimal公式アカウントや、Minimalスタッフがいいねやリポストなどして交流することで、ブランドとお客様の間でインタラクティブ性が生まれます。
さらに、お客様同士にとっても「同じ時に届いて、同じことを思っている人がいる」という仲間意識や共感を生むコンテンツになります。
お客様のUGCは、リーフレット等や記事でご紹介させていただくこともあり、さらなる共感を感じていただけたり、お客様がUGCを発信する際の撮影の見本としてもご活用いただけます。
キーワード3:ブランドは人の集合体
SNSはインプレッションやクリック数など様々な数値が即時で確認できる、短期的に改善可能で効果を実感しやすいメディアですが、じつは長期的にもとても大事であると考えています。
例えばInstagramは、短期的にクリエイティブの細かな改善や配信時間帯、ハッシュタグ、コラボレーションインスタライブ、リールの活用など地道な改善を繰り返し、Instagramのフォロワー数が日本のBean to Bar業界では最大級(2024年1月時点)に成長しました。
現在、X(旧Twitter)・Instagram・TikTokの運用は、広報・PR担当者が1人で回しています。
管理者(コンテンツディレクター)が1人であることで判断が早くなり、各メディアの大枠の流れも掴みやすくなります。発信の芯が通り、一貫性が担保される事はブランド資産の蓄積に寄与します。
また、広報・PR担当は社外へのニュース発信(プレスリリース等)を手がけるため、代表・山下をはじめボードメンバーの思いや考えを身近に聞いて咀嚼する立場にいます。
その目線を持ちながら、SNS上で常に起こる流行や話題に対して対処の判断を行えます。
MinimalにとってSNSとは、短期的には自社サイトへの流入経路として重要ですが、本質的にはブランドを理解し共感していただき、エンゲージメントを高める手段の一つと捉えていますので、「ブランドの人格形成」という意味合いが大きいです。
最終目的は、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めることという軸はブレないように、日々粛々と地道に運営しています。
今回は”人”を軸に、SNSについてお伝えしました。
次回の第2回は、人起点の店舗戦略について、新店舗や人の育成の観点から語ります。
第2回はこちらから(2/7夜18:00公開予定)
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