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サステナビリティ・アップサイクルへのブランドの向き合い方

近年特に注目を浴びている、SDGsをはじめとした社会課題への企業・ブランドの向き合い方。

今回のnoteでは、チョコレートブランドであるMinimalのサステナビリティに対する取り組みや考え方を3つのUX観点からご説明します。

当たり前になりつつあるサステナビリティ

Z世代と呼ばれる若年層を中心に、当たり前にサステナブルやエシカルであることを前提にモノを消費したり、購買することが広がっています。

また、アメリカのD2Cの代表格のEVERLANEのHPには、各商品の材料費から人件費、出荷コストに至るまでの製造原価が公開されています。

アメリカの多くの消費者(特にミレニアム世代以降)がこの透明性のある姿勢と従来の搾取されがちな工場側への適性還元の姿勢に賛同し、共感して商品を購入しています。

アメリカでD2Cが隆盛しているのには、ダイレクトアプローチによって、自社の理念やサステナビリティの取り組みを消費者にきちんと伝えられていること、そして消費者がそれに共感しないと購入しないということが顕著であることが挙げられます。

一方で「サステナブル疲れ」「エシカル疲れ」などと呼ばれる事象も起きています。

上記の記事から若年層は
・サステナブルに関してインプットの機会が他の世代に比べて格段に多い
・サステナブルをキャラ作りとして利用することへの嫌悪感を感じている
ことがわかります。

企業やブランドには、継続性があり、また普段の生活で自然にできるサステナブルな選択の提示が求められています。

UX的観点その1:消費の前提にあるサステナビリティ
気候変動などの問題が子どもの頃から身近にあったZ世代を中心に、日本でもサステナブルやエシカルな商品を自然に選択することが当たり前になってきています。企業やブランドは、一時的にサステナブルを謳うのではなく、継続的に本質を捉えたサステナビリティに対する取り組みが求められています。

Minimalのアップサイクルな取り組み

Minimalでは2021年10月より、通常廃棄されてしまうカカオの殻”カカオハスク”(豆殻)を鶏のエサとして再利用するアップサイクルな取り組みおこなっています。

カカオ豆からチョコレートを造る際、ゴミとして必ず出るカカオハスク。カカオハスクは、繊維質で硬く渋みが強いため人が食べるのには適しておらず、通常は廃棄します。

Minimalではこのカカオハスクを、どうにか活用する方法はないかと考え、ミシュラン星付きレストランなどにも使用されるたまごをつくる、田中農場に無償で提供する取り組みを始めました。

チョコレートを造る上で避けられない課題

カカオハスクは、チョコレートを製造する上で必ずでるものです。Minimalでは、これまでもカカオハスクから香りを抽出したり、紙の原料としてリサイクルしたりと、様々な施策でアップサイクルな取り組みを試みてきました。

しかし、製造量が増えるに伴い、なかなか全量をリアルタイムに処理することが出来ず腐心していました。

そんな中、田中農場さんの田中さんと出会い、お互いの考え方への理解を深める中で、その食への姿勢に深く共感して、今回の鶏の飼料に使用していただくという取り組みを提案させていただきました。

カカオハスクが鶏の生育に良い影響がでる可能性があることなど、廃棄するしかなかったものから新しい価値が生まれています。

UX的観点その2:気軽にできる社会貢献
地球環境や社会課題のことを考えて、なにか行動したい」と思う消費者が増える一方で、何からしたらいいかわからない方も多くいます。また個人で社会課題解決に貢献すると考えるとハードルが高く感じてしまうことも多いでしょう。ブランドや企業が社会課題に取り組むことで、お客様はそのブランドを選択するだけで簡単に社会貢献できるようになります。また選択しやすいように、日頃から課題に対する取り組みを発信していくことも重要でしょう。

フェアトレードで解決する社会課題

カカオとチョコレートを取り巻く産業は構造的に大きな問題をいくつも抱えています。

Minimalは、そういった問題から目を背けること無く、解決に繋がる活動を実施、継続するという理念を大切にし、Minimalの事業活動を通して1歩1歩ではありますが、その問題解決に取り組んで来ました。

例えば、カカオ農家の多くは貧困で、西アフリカなどでは児童労働の問題を抱えてます。

Minimalは創業から一貫して、全てのカカオ豆を児童労働を行っていない農家から、100%フェアトレード価格以上で仕入れています。少しずつではありますが、貧困問題と児童労働問題の解決を目指して出来ることを継続しています。

農家さんから教えてもらった豊かさ

カカオ農家さんを直接訪れる中で、教えてもらったことがあります。

「本当の豊かさとは何か?」

創業当初、カカオ豆を「3倍ぐらいの価格で買いたい」と言っても、買わせてもらえませんでした。

カカオ豆は、市場で取引価格が決まるため、農家さんには価格の決定権がありません。彼らにとっては、100トンぐらいの量を売らないと意味がないという経済構造なのです。

ところが私達は1トンほどしか買うことができませんでした。すると、3分の1の価格でも100トンを売った方が儲かります。そんな中で、インドネシアのある農家さんが、私達を選べば収入が減るにもかかわらず、Minimalと取引することを選んでくれました。

「どうして私達を選んだのですか?」と聞いてみると、彼ははにかみながら、こんなことを言いました。

「僕は30年間カカオ豆をつくってきたけど、今まで自分の生活を削って、量をつくるということしかなかった。
Minimalが初めて、自分達の生活を守りながら自分達の収益を上げて、自分達の豆が世界中に届く、ということをやってくれた。自分のつくった豆が美味しいチョコレートになって多くの人が食べてくれている実感を初めてもつことができた。それはとてもとても誇らしい事なんだ。
その誇りをもちながら、自分の子供や孫たちに収益をあげていけるという選択肢を残す事が出来るかも知れない。
だから僕は、君たちとやりたい」と。

その時に、豊かなことというのは「選択できる」ということなんだと気づきました。

どちらが正しいということではなく、正しさはその人にとって相対的なモノで、大事な事は選べる選択肢があるということ。

農家さんにとっては、「安い単価で量を売るか」「少量でも高い単価で売るか」の選択肢です。
誰かに押しつけるのではなくて、選択するという価値。

私達は、カカオ農家さんにも、そしてお客様にも、新しい選択肢としてのチョコレートを提示していきたいと考えています。

Minimalのサステナブルに対する考え方

選択できることが豊かさであるということをお伝えしました。

Minimalでは、サステナビリティなど環境問題や貧困問題、そして職人の働き方など、チョコレートに付随するさまざまな課題解決にも取り組んでいます。企業やブランドにとって、社会課題に対して何らかの取り組みを行うことは当然です。

しかしMinimalにとって一番大切なことは、もちろん圧倒的に「美味しさ」であると考えています。

お客様にとっては、美味しいチョコレートがある中で、選択する際のひとつの判断基準として、社会的課題への解決に取り組む姿勢があるのではないでしょうか。

現代社会は、環境問題や貧困、人権侵害など多くの問題に直面しています。カカオ・チョコレートも搾取や貧困の問題などを抱えています。

私たちMinimalに出来ることは小さいことで、まずはご満足いただけるチョコレートをお届けすることから全てが始まります。

しかし、時間がかかってもカカオ農家さんと一緒に品質を向上し、そしてサステナブルでフェアな、"きちんと売れる"チョコレートをつくり続けることで、関わる人すべてが幸せになれるようなチョコレートを、これからもお届け出来るよう励みたいと思います。

UX的観点その3:企業の社会課題に対する取り組みは当然だが一番ではない
お客様の立場に立つと、いくら社会的意義のある取り組みをしている企業やブランドでも、本質的価値がなければそのサービスや商品を選ぶことはなくなっていくでしょう。本質的価値(Minimalの場合はチョコレートの美味しさであると考えます)がしっかりとある中で、それを選ぶ基準のひとつになるのがサステナビリティや社会的課題への企業の取り組みであると考えます。

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