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鼎談後記「ニューノーマルなものづくり」のUXとは?

この半年間でライフスタイルに大きな変化が起こっています。
そんな中でどのようにものづくりに向き合っているかをAGILE COSMETICS PROJECT(以下ACP)代表・内保友子さん、objects.ioデザイナーの角森智至さんとMinimalの山下がお話をさせて頂きました。

鼎談内容の詳細はACPさんの記事を最後にご紹介しますので、そちらにてご覧頂ければと思います。3ブランドからもらえるプレゼントキャンペーンもありますので、そちらもぜひご覧下さい。

Minimalのnoteでは鼎談後記という形で、この鼎談から見えた「ニューノーマルなものづくり」に求められるUXを考える上で必要な要素という観点でまとめてみたいと思います。

変化1:過ごす場所の変化

Stay at homeが言われるようになって、テレワークが急速に進み、オフィスに通勤するのが当たり前の日常から自宅を職場にしたり、自宅近くに事務所用の部屋を借りるなど、プライベートスペースへワークスペースが近接し、ある意味でプライベートスペースにワークスペースが浸食しています。その前提にたつと、プロダクトのトレンドももちろん、プロダクト取り巻くUXを変化させる必要があります。

求められるプロダクトとUXは大きく2点。時間と空間という観点で考えると良いです。

情報


時間に区切りを与えるプロダクトやUX

自宅で仕事をするようになると、元々仕事をするように設計されていることが少ないので、物理的にお互いの領域を邪魔する可能性があります。

そのため、どうしても家族それぞれにストレスがかかったりし、物理的な移動が少なく、仕事と休憩など、時間に区切りが無くなります

その変化を捉えてプロダクトとUXを考えておくことは大事です。

Minimalでいうと、この変化を捉えるプロダクトとして長方形上の棹上スイーツをECの主力としました。棹上スイーツは家族と一緒にとりわけて食べることもできるし、個人で何回かに分けて食べることもできます。

「ちょっと休憩してチョコケーキ食べようよ」ってなれば、空気が柔らかくなりますし、チョコレートを食べるという行為が時間に区切りを入れる事ができます。

空間を彩るプロダクトやUX

上記と同様に変化が少なくなる状況で、空間自体に少しの彩りを手軽に取り入れてもらえるかもプロダクトやUXを考える上で大切な視点です。

プロダクト自体のデザイン性や審美性

仕事場と生活の場が近接し、お互いを浸食する事に対して、プロダクト自体が物理的に空間を彩るデザイン性をもっているかは大事になります。

また香りなどもその要素です。例えばMinimalで言えばチョコレートにジップ付きの密封パッケージを採用しています。プロダクト自体が他のチョコレートと比べて香りが高いので、ジップを開く度に心地よいカカオの香りが香ります

それにより朝仕事モードに切り替える、休憩前のリラックスモードに切り替えるなど香りを一つのアンカーとする事ができます。

変化2:“自分”の時間の増加

物理的に他人との時間が減ったという変化は“自分”に向き合う時間を増加させています。例えばテレワークで話をしていても空間には自分だけだったり、テレワーク画面越しに自分の顔や表情を見る時間が増えたり、飲み会や外出ラインが減って自分へのご褒美という消費行動が加速されたりなど、相対的に他者との関係時間が減り、“自分”に意識が向く時間が増えています

その前提にたつと、プロダクトのトレンドももちろん、プロダクト取り巻くUXを変化させる必要があります。

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気持ちを高揚させるプロダクトやUX

求められるプロダクトやUXの視点として、その人自身の気持ちを高揚させられるかだと思います。
例えば、
テレワークで自分の顔を見る時間が増えた男性が化粧や美容に興味をもついう話があったり、
誰にいい香りと思ってもらうという事以上に自分の気持ちを高めるために自宅でも香水つけるということがあったり、
自宅にいる時間をより贅沢にするためにご褒美スイーツを食べるなど、

自分の気持ちを高揚させるという起点でのプロダクトやそれを取り巻くUXの設計が求められます。

変化3:情報の非対称性が減少し、「好き」が多様化

インターネットなどが普及して、情報の非対称性が少なくなる世の中においては「好き」を発信する事の難易度が急速に下がってきています

そのため、ブランド側はマスメディアに頼らず自分の達のプロダクトや世界観を「好き」と思えるフォロワーを見つける事ができるようになります。

フォロワー側の視点にたつと自分の「好き」の感性に触れるプロダクトやブランドを見つけやすい時代といえます。

その前提にたつと、プロダクトのトレンドももちろん、プロダクト取り巻くUXを変化させる必要があります。

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誰かの個人的な「好き」や「困っている事」から始まるプロダクトやUX

ペルソナ的なみんなに共通する抽象と、ひとりひとりの具体を行き来しながら作り上げていくのがニューノーマルなものづくりやUXつくりではないと考えます。

情報の非対称性が無くなっていくと画一性から多様性に進んでいく

「好き」や「困る」も抽象度の高いみんなから、より細分化個別化された個人的なものに変わっていきます

だからこそニューノーマルなプロダクトやUXは誰か具体的な個人の「好き」や「困った」ことを解決するという前提に立つことが大事と思います。

個人目線の「好き」とプロ目線の「良い」の2つ目線をもつ

個人の「好き」が多様な世の中になるときのブランド側の留意点としては、個人のお客様一人一人の「好き」に対してリスペクトを持ちながら、個々の「好き」に過度に反応せず、プロ目線での「良い」や「悪い」の目線を持っておくことが大事です。

声の大きいお客様の「好き」が必ずしもブランドにおいて「良い」ではないかもしれません
逆もあります。例えばMinimalでもはじめて焼き菓子を作ったときに、顧客ターゲット層を拡げるという実験的な意味合いを含め、通常のMinimalのデザイントーンよりかわいいデザインのパッケージにした事がありますが、同年のユーザーインタビューでコアファン層のお客様から厳しいお言葉を頂きました。このとき私達の判断はパッケージを変更する、でした。

ブランド側の「良い」がお客様の「好き」にならないことに対して、プロ目線で自分達が間違えたと判断しました。

変化4:社会の感性や価値の変化スピードの加速

コロナ禍のようなネガティブなものも含めて社会の変化が早く大きくなっている時代において、社会の感性や社会背景の変化はとても早くなってきます。その変化を迅速に捉えてブランド側のプロダクトやUXも共に変わる柔軟性を持って行くこと非常に重要になります。

その前提にたつと、プロダクトのトレンドももちろん、プロダクト取り巻くUXを変化させる必要があります。

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プロダクト開発やUX設計にアジャイル型開発の思想をいれる

変化スピードに対応するために、プロダクトもUXも常に改善していくというアジャイル型開発の思想を取り入れていくことがニューノーマルなものづくりには重要であると考えます。

製品の完成像は、使う人の感性や社会背景の変化と共に変わるので、その変化に対して柔軟に対応していく思想と組織風土・体制をもつことがブランド側に求められます。

Minimalでは職人チームがいて、ある程度どんなスイーツでも半日ほどあれば試作やプロトタイプを造ることができる体制となっています。その流れで始めたのが6ヶ月連続で毎月300個限定で発売する「スイーツチャレンジ」。お客様の反応やアンケートをみながら最もニーズのあるスイーツを探っています

右脳と左脳、機能性と審美性、理論的と感覚的ものづくりやUXつくり

社会の感性や価値が変化することを捉えるには2つの側面が必要であると思います。
変化の中で必然的に求められる機能的な側面。
それは左脳的、機能的、理論的ともいえる効果という側面です。

もう一方は、時代や世代で変わって行く「好き」とか「美しい」という感性的な側面
右脳的、審美的、感覚的ともいえる感性に触れる心地の良さという側面です。

ニューノーマルなものづくりを体現するプロダクトやUXにはこの両側面の価値や意味合いを持ってる事や定義している事が非常に重要になりますし、それも上記にあるアジェイル型開発の思想と体制とセットにしておくことが求められます。

変化とは何かを考え、具体的にイメージし、提供価値の再定義

以上が今回の鼎談の中で各ブランドが行った実際の実例から考えた「ニューノーマルなものづくり」に求められるUXでした。コロナ禍というのは変化のスピードを加速させました。

しかし、変化はいつの時代も起こるものだと思います。大事な事は、その時々の変化とは何かを考えて、それを具体的にイメージすることです。そのイメージから、ブランドが提供している価値を再定義する事

それを基にものづくりとそれを取り巻くUXを変更させていくことができるかが「ニューノーマルなものづくり」に求められます。その事を肝に銘じてものづくりに徹底的にこだわり、お客様が感動するUXつくりに精進したいと思います。

プレゼントキャンペーン

鼎談をきっかけに「皆様の生活を少しでも豊かにできれば」という想いから3ブランドの製品を抽選でプレゼントさせていただきます。
内容や詳細は以下応募ページよりご覧下さい。
3社の商品が手に入るチャンスとなりますのでぜひご覧下さい。
*応募の締め切りは20年09月30日までですのでお早めに。

鼎談記事

また3社のものづくりへの姿勢やこだわりを存分に感じて頂ける鼎談の内容は読み応えたっぷりです。ぜひ詳細は以下よりご覧下さい。

鼎談記事①
もう「ペルソナ」はいらない。Minimal、objcts.ioとACPが語る身近な人に向けた“ニューノーマルなものづくり”

鼎談記事②
Minimal、objcts.ioとACPが考えるブランドとユーザーの共犯関係とは?「作り手のための製品」が刺さる理由

ぜひ記事をご覧頂き、プレゼントキャンペーンの応募お待ちしております。

Minimalのチョコレートのオンラインストア

▼遠方の方や外出を控えたい方は、オンラインストアをぜひご活用ください。

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