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Minimal10周年イベント裏側大公開!「周年イベントに意味はある?」リアルイベント実施の目的や企画アイディア、実施の流れなど赤裸々公開

2024年12月1日、Minimalは創業10周年を迎えました。
これまで応援してくださった皆様に厚く御礼申し上げます。

今回は、10周年当日の記念パーティを迎えるまでのMinimalの裏側を大公開。実施の目的から流れまで、詳細にレポートしていきます。

周年という節目は社内外にブランディングをする絶好のきっかけであると考えています。社外にはもちろん、巻き込み方で社内に向けてのインナーブランディングに活用できます。
ぜひ周年を迎える際の、ものづくりブランドのみなさまの一つのご参考になれば幸いです。


ブランド10周年の節目に、何をするか

Minimalではブランド創立記念日の12月1日近辺で、お客さまに感謝をお伝えする場として毎年周年イベントを行っています。

コロナ禍以降はオンラインで実施していましたが、節目である10周年はリアル開催をすることに。実際にお客さまからもリアル開催してほしいというお声を多数いただいていました。

開催決定後、2024年の春頃にまずおこなったのが会場決めです。
複数の会場候補を実際に下見し、今回は外苑前の「AOYAMA GRAND HOTEL」で実施することにしました。

前提には「10周年という節目であり、たくさんのお客さまとお祝いをしたい」という想いがあります。収容人数はもちろん、立地の利便性、さらに10周年という記念すべき日にふさわしい華やかさもある会場としました。

◯チェックポイント
そのときのブランドの状況や目的によって、規模や場所はたくさんの選択肢があります。
Minimalではコロナ禍はオンラインイベント、またそれより前の周年イベントは150名~200名規模での実施でした。
しかし
・10周年という節目のタイミングであること
・店舗も増え、さらにオンラインストアも拡充しますますたくさんのお客さまに知っていただいていること
から、今回の周年パーティーは500名規模で行える会場と時間、さらに気軽に行こうと思っていただける立地の利便性も考慮しました。

プロジェクトチーム発足とスケジューリング

次にプロジェクトチームの発足です。

Minimalはパティシエ・ショコラティエ、販売、ビジネスの大きく3チームに分かれています。
その中でさらにそれぞれの細分化されたチームから代表者を集めチーム編成をおこないました。

イベント会社には依頼せず全て内製でおこなうことで、Minimalらしさがぎゅっとつまったイベントになり、さらにスタッフ自身も自分たちのブランドを自分たちで盛り上げるというマインドセットにもなります。

また、開催までに誰が何を決めて何を準備するのか、大まかなスケジューリングをしました。

◯チェックポイント
部署横断の社内タスクフォースを立ち上げることで社員を巻き込む方式としました。各部署から選抜する事で、各部署のメンバーにも自然とイベントのことが伝わり、全社で盛り上げていくという機運つくりに役立ちます。規模にもよりますが、各チームからメンバーを集めタスクを分散させることで、イベント運営経験者がいなくとも自社完結でのイベント運営が可能となりました。
部署の垣根を越えてイベントを行うことで、メンバー間の関係構築の一助にもなります。

コンテンツの検討

各チームから当日のコンテンツ案をもちより、お客様に楽しんでいただけるコンテンツを検討します。検討会議は数回にもわたりました。

当日しか食べられない限定スイーツや、創業以来継続しておこなっているワークショップ、さらに年表やトークセッション、フォトコンテストや抽選会などを実施することに。
実施には至りませんでしたが、他にもMinimalガチャガチャや、お子さまむけのチョコレート探し(宝探し)など、多数の案があがりました。

当日のコンテンツのひとつ、寄せ書きコーナー

◯チェックポイント
限られた時間と予算の中で、1番はお客さまに喜んでいただける内容であること、そしてスタッフ自身も楽しく準備できるよう案をたくさん募りコンテンツを決めていきました。
タスクフォースの各自が何をやりたいかを考えることで、お客さまの気持ちをロールプレイすることや、部署の仲間と雑談レベルで何をしたいかを話すなど、個人の成長や全社の機運つくりに寄与しました。さらには、多様な部署のメンバーがいることで、それぞれの立場からお客さまが楽しめること、自分達が周年を通して伝えたいと思うことがでてくるため、コンテンツの角度が広がり多様なコンテンツ案を検討することができます。

当日に向けた各チームでの準備

コンテンツが決まると、各チームでそれぞれの準備を開始します。
週に1回進捗確認や相談のMTGをプロジェクトメンバー全員で実施、さらにプロジェクトリーダーとの個別のMTGなども行いながら、入念に準備を行っていきました。

・当日限定スイーツ
限定スイーツは、計9種のスイーツを9名のスタッフがそれぞれご用意しました。

実は今回、パーティーでスイーツを提供したいというメンバーを立候補制で募りました。
Minimalでのスイーツ開発は未経験のメンバーもいましたが、パティシエ・ショコラティエのスタッフは新卒入社1年目のスタッフを除き、全員が立候補して提供することに。

当日にむけてスイーツを開発する中で、どのメンバーも味わいチェックをクリアしないとお客さまにはスイーツをお出しできません。
メンバーの中には、試作を何度も何度も繰り返し合格したメンバーもいましたが、なんとか無事当日までにスイーツを完成することができました。
また、それぞれ商品紹介用のPOPの文言もや盛り付け、パッケージなども各自で作成しました。

◯チェックポイント
ものづくりブランドとして、やはり提供しているものづくりのコアな価値はきちんとコンテンツとしてお届けすべきと考えます。Minimalでいうと、それは職人の手仕事による特別なスイーツです。今回は立候補制で、自ら意思を持って取り組むということがポイントでした。結果として、開発を経験したことがないメンバーが多く、実際に出す商品はもちろん当日オペレーションや、お客さまに買っていただける商品とは何かを考えるなど、メンバーにとって最高の成長機会になりました。

・トークセッション
当日はゲストを招いてトークセッションも開催。
周年ということもあり過去のMinimalも知っていただいている方をぜひお迎えしたいと考えていました。
そこで、以前からご利用いただいている作家の吉本ばななさん、過去の特集などでも取り上げていただいている雑誌RiCEの稲田さん、そしてコラボレーションを何度も行っている新政酒造の佐藤さんをお迎えすることとしました。

吉本ばなな氏(中央)とRiCEの稲田浩編集長(右)
新政酒造 佐藤氏

◯チェックポイント
トークセッションはコンテンツの目玉の一つです。お客さまがお話を聞きたいと思えるゲストと、その内容がブランドとして扱うテーマ性に合致しているかを検討するプロセスは、10周年という節目に、改めてブランドが大切にしている価値の見直すことにも繋がりました。
大切にしている価値感に共感いただいているゲストをお招きすることで、そのゲストとのテーマ性のある話を通じてお客さまにブランドのアイデンティティを再確認していただけるというかけがえのないものとなりました。

・ワークショップ
創業以来、チョコレートづくりや、テイスティングワークショップを本店の富ヶ谷店で実施してきました。
記念パーティでは、限定バージョンとしてMinimal人気フレーバーの「'Arhuaco(アルアコ)」のカカオ豆からつくった数種類のチョコレートを食べ比べしていただける内容としました。
また、ご家族での参加も多いことから、お子さんでも楽しめる内容のワークショップとしました。

◯チェックポイント
お子さんに向けてコンテンツをきちんと用意することで、ご家族で参加してほしいというメッセージを伝えることができました。ワークショップは限られた席数でしたが、すぐに埋まって、小さなお子様も参加いただき、とても有意義なコンテンツとなりました。

・フード&ドリンク&音楽
Minimalのシグニチャースイーツの盛り合わせや、Minimalチョコレートを使ったピザなどのフードに加えて、コーヒーやホットチョコレートなど、店舗でいつも好評いただいているメニューや、クラフトコーラやリンゴジュース、そしてパーティらしいお酒などもご用意しました。
お酒はゲストの新政酒造のお酒に加えて、パーティーを盛り上げるために青山のワインバー「赤い部屋」さんに特別にお越しいただき、サーブしていただきました。

・DJ
パーティーにおいて、とても大切な歓談時間の雰囲気をつくりために、DJによる音楽は欠かせません。今回は外部からDJネギヤキマエストロ氏・DJあいちゃん氏・DJ DESIGN KILLER氏の3名のDJをお招きして、順番に音楽をお願いしました。

左からDJ DESIGN KILLER氏・DJネギヤキマエストロ氏・DJあいちゃん氏

◯チェックポイント
パーティーの骨格は、フードとドリンク(特にお酒)と音楽です。これが背骨の役割を果たします。すごく極端に言うと、この3つがきちんとブランドらしさとして表現されていればパーティーの満足度を最低限担保することができます。ここが疎かになると、コンテンツのクオリティに満足度が極端に依存することになります。また、周年イベントはお客さまからすると一緒に節目をお祝いする場であり、ブランド側からすると、お客さまに感謝を伝える場であるため、この背骨がとても重要であると考えます。

他にも司会進行の流れや当日会場までの物流、当日の販売品、年表やフォトコンテストの結果掲載、会場の装飾、チケットの販売方法、オープニングムービーの作成など……数えたらきりがない細かな点をつめていきました。

イベント直前のMTGでは各メンバーの役割と配置や動きを入念に確認し、当日を迎えました。

◯チェックポイント
パーティー当日まで週1のMTGを行い進捗確認し、各チームの状況を共有することで遅れやミスなどを防ぎます。

当日までの盛り上げ

10周年に関して、当日のパーティーだけでなく周年を盛り上げる企画も実施しました。
記念グッズ記念マガジンの発売やノベルティプレゼント、また10年を振り返るフォトコンテストや各チームでのカウントダウンインスタライブなども3ヶ月前から実施し、盛り上げていきました。
(パーティーが終っても周年イヤーは続くので、2025年も周年に関する企画をご用意していきます。)

◯チェックポイント
周年とは、年間を通して祝えるものであり、周年当日だけの点ではなく線、そして面でとらえることが大切です。
周年当日で完結させるのではなく、当日を挟んだ前後に企画をおこなうことで、周年の認知拡大と期待感の醸成をおこないます。

10周年、パーティ当日

そしていよいよ当日です。
早朝に会場に到着し、各リーダーの指示のもと着々と準備が行なわれていきます。

・会場設計
会場は、高揚感、お祭り感を演出するため、入口には暖簾を、そして入ってすぐの場所に華やかな装花をあしらったり、スイーツの提供を屋台のようなスタンドで行いました。
屋台はTINY STANDさんでレンタルし、入口やステージ脇などの華やかな装花は麻布台ヒルズ店の装花などもお願いしているsukimaさんにお願いしました。

暖簾
屋台
装花

◯チェックポイント
ブランドの世界観を演出することには手間暇を惜しまないことが大切です。ブランドのことを理解していただける外部のパートナーと日ごろからお仕事をしておくことが重要です。今回の会場装飾もプレス向けイベントなどで何度もお付き合いのあるパートナーであったから短時間で意図が伝わり、実現したい世界観を実現することができました。

・導線設計
入口ではクロークや受付の導線を入念に確認し、お客様をお迎えしました。

普段お客様と直接接する機会の少ないパティシエ・ショコラティエたちもお客さまに接客をさせていただくため、できるだけ会計などはスムーズにおこなえるよう、会場内でのお支払いはチケット交換制とさせていただきました。

チケット

当日は快晴に恵まれたため、外のテラスにもテーブルや椅子を設置して休憩スペースを急遽拡充しました。

当日の詳しい様子は、Minimal公式サイト内JOURNALにて3回にわたりレポートを掲載しています。
※レポートはこちら

イベントにはトラブルがつきものといいますが、細かい状況共有をリーダー間で行いながら進行し、大きな問題なく終了することができました。

当日を振り返って、スタッフのインタビュー


エンジニアリングディレクター・朝日

相変わらず開場直前までバタバタ準備をしておりました。自分のブース(Raw Chocolate Bar)の話で言うと、10年前の創業時の様子を再現したいと思い、板チョコレートの製法もそうですが、ディスプレイやパッケージの雰囲気もそれに寄せてみました。当時を知っていただいている方が思い出してくださったら嬉しいです。こうして直前までバタバタとしていることも含め、創業のときのようです(笑)。10年で変わったところもたくさんあると思いますので、ご来場くださった方々にはそんなところも感じていただけていたら嬉しいです。

シェフ・奥野

周年祭は、コロナ禍の期間はオンラインでしたので、リアルイベントは5年ぶりになりますかね。僕は祖師ヶ谷大蔵店でお客様の前に立つ機会が増えたのですが、より多くのお客様にお会いできるというところをすごく楽しみにしていました。
私は特製カレーパンをお出ししたのですが、感想を伝えに来てくださるお客さまもいてとても嬉しかったです。

パティシエ・片岡

私のMinimal入社が、創業から1〜2年のタイミングだったので、10周年ということでもうそんなに時間が経ったのかと感慨深くなりました。過去を振り返りながら、いろいろやらせてもらったなと懐かしくなりながら、ありがたいなという気持ちがあります。
当日は体調不良ででられなくなってしまったメンバーのブースを掛け持ちしながらと少し慌ただしかったかもしれませんが、楽しみにしてくださっているお客様に満足していただけていたら嬉しいです。

パティシエ・増田

今は工房で製造の仕事をしているので、久しぶりの接客になります。楽しみもあるのですけど、ドキドキもしていました(笑)。
10年前には富ヶ谷本店の店頭に立っていましたので、懐かしい気持ちで思い出しています。

催事担当・安藤

Minimalに在籍して8年くらいになりますが、この10年の節目で「そんなに経ったんだ」と信じられないくらい、あっという間の思いでおります。
僕はパーティーの司会進行の大役を仰せつかったので、ちょっとテンション高めにスタンバイしました。たくさんのお客さまをお迎えできたことが本当に嬉しかったです。

レポート公開と振り返りまでが、周年パーティ

無事当日が終了しほっとするのも束の間、開催終了後には当日のレポート記事を3篇にわたって公開しました。

当日の主役であるスイーツの紹介など概要で1本、トークセッションの内容を一部文字起こしで1本、最後にお客さまにインタビューさせていただいたので、その内容で1本の系3本を公開しました。
※レポート記事はこちら

さらにプロジェクトメンバー全員で振返りMTGも実施します。

反省や改善点は30点以上も挙がりました。
細かな導線や荷物の運び方、事前案内の方法からスイーツの準備計画など、内容は多岐にわたります。

この振返りを活かして、これからもお客さまに楽しんでいただけるようなイベントを開催していきたいと思います。

◯チェックポイント
レポート記事を公開することで、こられなかった方にも当日の雰囲気を知っていただくことができます。さらに次回イベントの来場動機につなげることができるかもしれません。
また、忘れずに振返りもおこなうことで、社内の知見としてノウハウをためることができます。

当日はたくさんの笑顔溢れる場となりました。
来場していただけるお客様、スタッフの動き、イベント全体の盛り上がりなど、いろんな側面からブランドの現在地がわかる場にもなりました。

ご来場いただいた皆さま、関係者の皆さまに、改めて感謝申し上げます。

10周年イヤーは2025年12月1日まで続きます。
まずはチョコレートが1年で1番盛り上がるバレンタインが迫っています。

Minimalでは、ブランド10年目にして初となるボンボンショコラの発売など、記念すべき10周年イヤーのバレンタインに多数の新作をご用意しました。
全国各地の催事にも出店していますので、店舗・オンラインストア含めご都合の良い場所でお求めください。

バレンタイン特集はこちら

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