オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX(vol.2)
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オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX(vol.2)

コロナ禍でのMinimalの1年間の振り返りとして、

「オンライン時代に、リアルとECをシームレスに体験できる、ものづくりブランドをつくるためのUX」について、全3回でお伝えします。今回はvol.2です。

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チョコレートやスイーツの提供価値は食べた人を「幸せな気分にする」という根源的な部分を見つめ直し、コロナ禍で物理的に店舗に来づらい状況でオンライン販売を強化すると決め、いち早く工房増築やオンラインに適したスイーツ開発に着手しました。オンラインの売上は伸び一見順調に見えましたが、緊張感の高い状況下で組織内部は疲弊していました。

「野球からサッカーに競技を変える」レベルの働き方の変化

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通常チョコレート屋さんは年間半分以上の売上を1月~3月の期間で上げるとも言われているほど季節が偏った商売です。

Minimalもピークを迎える年末~3月まではとても忙しく、通常は4月以降にすこしずつ落ち着いてくるのですが、コロナで4月以降の売上は激減し、4月以降にオンラインスイーツ開発の進めていきました

コロナ禍の不安と、緊張状態が続くような社会環境が負の変化の最中では、不安の解消変化対応のマインドセット重要でした。そこで、物理的にも精神的にもスタッフが安心して働けるように、5月前後、緊急事態宣言の延長が決まったタイミングで緊急の全社員MTGを行いました。

代表・山下からまず雇用の維持の方針を明確に伝えました。そして安心感をもって働いてもらう前提を整えた上で、皆の力を一丸となって事業戦略の変更をしたいという話をしました。

決断1:野球からサッカーに競技を変える(比喩)

全社員MTGで話をしたことはこれまでの成功体験(リアルなお客さん接点で商売をする)が通用しなくなったため、競技変更をしないといけないということです。これまではパティシエ、ショコラティエ、バリスタ、ソムリエなど野球のように1番ショート、4番ファーストなど専門性と役割がある程度固定的に進んでいく競技に近い働き方をしていたところから、サッカーのようにポジションという専門性を磨きつつも、試合の流れで時にDFでも点を狙い、FWでも守備をするという変化に対して流動性をもって柔軟に対応してほしいと山下から熱を込めたトーンで話がありました。

決断2:職種間移動及びデジタルマーケチーム採用

これまで職種採用で役割がある程度固定されていました。しかし、オンライン販売に伴い職種間の移動が組織として起こりました。戦略変更に伴う必然の動きでありましたが、マインドチェンジを働きかけるタイミングで具体的な移動や変化が大事だと経営陣が判断したことも大きな要因でした。
具体的な例でいうと、サービス販売スタッフが新設デジマチームへの移動、製造チームの職人スタッフがEC発送チームへと移動しました。また、新設でデジマチームが立ち上がりそこに新たに2名のメンバーを採用しました。ものづくり会社で、ビジネスサイドは基本的には創業メンバー3名でほとんど請け負っていましたが、デジマチーム、EC発送チーム、CSチームが新設され、少しずつビジネスサイドの人間が増えていきました。

コロナ禍の不安や売上が下がっていることからくる精神的な疲弊に対して、雇用の維持と組織一丸となってどう戦略を変更し何に注力するかを明確にすることでスタッフの力を結集して乗り越えていきました。
また、肉体的疲弊に関しては、チームで連携して働くことで、一人当たりの負荷を標準化する努力を行いました。

正直それでもギリギリな状態でありました。スタッフ全員がそれぞれの持ち場で100%の力を発揮してくれたからこそ、大きな事故等無くこの1年間を乗り越えることができました。部署内チームでの連携、部署間の連携の重要性を痛感して、組織として成長するきっかけとなりました。

UX的観点1:立ち上げはスピードを重視。いち早く届ける。
社会変化が大きく、大変な状況でありましたが、残念ながらお客様にはMinimal内部の問題や状況は関係ありません。そのため、マインドチェンジや組織体制の変更は速やかに行う必要がありました。そこには議論があり、きちんと用意を完璧にしてからローンチするという議論もありましたが、私たちはスピード重視でサービスを展開することを選びました。そのため配送やCSに関してはご迷惑をおかけする部分もありました(今も改善途上です)。しかし、スピード感をもって届けて、ご指摘を受け止めて速やかに改善するというアジャイルの思想が最終的にお客様にとって最速で品質の高いサービスを届けられるはずと決断しています。これまでもお客様の声を取り入れながらブランドを育んできたと言う経験則が判断軸になりました。

“チーム力”で勝負する職人組織づくり

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オンライン販売における一番の肝は商品開発です。

オンラインに適したスイーツを開発すること(vol.1参照)と、いかに早く商品開発して、お客様に食べてもらい反応をもらえるかが大事です。

Minimalでは商品開発は職人チームが実際にプロトタイプつくりから本製造まで担います

Minimalの職人チームは、フランスのM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)パティスリーやイタリアの三つ星レストラン、国内有名レストランでシェフパティシエなど、国内外で修行を積んだ多様なメンバーで構成されています。

しかし、その中にシェフを置かない体制です。それぞれが商品ごとに商品開発を担当し、基本的には2名体制チームで開発をします。

商品開発機会をたくさん提供することで、個人が責任を持つ機会をたくさん経験し、全ての職人が個としてシェフ級の実力を備えることが出来ます。さらにチームとして連携し、同時に複数商品開発を行うことで、その商品ごとの改善プロセスを高速で回し、クオリティを上げながら、チームで量産出来る体制をつくろうとしています。

UX的観点2:ターゲットと提供価値を明確にした商品開発
Minimalでは職人が商品開発担当ですが、必ず商品ごとのターゲットとコンセプトと購買シーンを考えます。どんなお客様に食べて頂きたいのか、食べて頂けるのか。その時にどんな気持ちになって頂きたいのかを考えることで、お客様への提供価値を最大化しようと試行錯誤しています。試作に入る前にこのプロセスを徹底しておくことで、自分がつくりたいものをつくるという自己満足な開発でなく、顧客体験に寄り添った商品開発が可能になります。

オンライン本格スイーツチャレンジ実施の決断 ~職人達から湧き出てくる商品の数々~

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2020年3月~6月までの間試行錯誤をしながら、オンライン販売を加速させていきました。その中で販売側としての効率的な機能要件が少しずつわかってきました

しかし、お客様が本当に欲しい商品やニーズは何であるかを知るには期間が短く、商品投入数も少なかったというのが本音でした。

そのため、オンライン本格スイーツの企画を立ち上げることにしました。

スイーツチャレンジと名付けたその企画は、2020年7月から12月までの6ヶ月間の期間限定で、毎月新作の本格的オンラインスイーツをお届けする企画です。

職人達が集まり、これまでの洋菓子業界の経験を持ち寄りMinimalのチョコレートで新しい味わいを追求できお客様にニーズがあるであろう洋菓子の候補を出し合いながら最終的には6種類のメニューを決めました

7月のチョコレートタルトからはじまり、シュー菓子、オペラ、モンブラン、フォンダンショコラ、最後12月のフィナンシェまで、全く0から商品を企画、製造をしました。

開発担当がレシピを開発し、職人チーム全員で製造して届けました。

単価は3500円程度、毎月300個限定で発売したこの企画はおかげさまで大好評で、早いものは予約開始20分程度で完売するほどの人気ぶりでした。

UX的観点3:素早いプロトタイプと高速なPDCA
あえてシェフという立場を置かず、複数のシェフ級の職人が協働することで、複数の商品プロトタイプを同時に進行することができます。実店舗をもっていることでお客様の反応を素早く拾うことも可能になりました。そこで高速にPDCAを回しながらプロトタイプを素早く商品として出せるクオリティまで高めることが出来ました。在宅時間が増えて、ストレスがたまっている人が増えた7月以降の社会環境で、毎月新しいスイーツを出したことはお客様から好評を頂きました。そして、売れ方やそのご感想を見ることで何が求められているのかを知ることが出来ました

オンライン本格スイーツのおいしさやノウハウをためる~vol.3に続く

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スイーツチャレンジは内部の職人チームのチーム力・開発力を高めることに寄与しただけでなく、毎月300個を広報しながら、届けることで本格的なオンラインスイーツとしてMinimalのスイーツの認知が上がっていきました

そして、購入して頂いたお客様にアンケートに答えて頂くことで、率直な反応や感想、そしてノウハウを内部でためていくことが出来ました。

大変な状況が続く中でも、Minimalの職人スタッフの活躍は素晴らしく、次々と彼らから商品のアイデアが湧き出てきました

スイーツチャレンジ中もシーズンごとのガトーショコラを複数種開発するだけにとどまらず、クリスマスケーキも初めて店頭受け取りではなく冷凍配送にチャレンジすることもできました。まだまだ改善点はありますし、お客様にご迷惑をおかけした部分もあり申し訳ない気持ちですが、かなりのトライアンドエラーを繰り返し、商品クオリティを上げていく体制や力が備わっていきました

UX的観点4:オンラインスイーツの課題を整理する
オンラインスイーツというジャンルはまだまだ未整備な状況ではあるものの、どんなことがお客様に価値になり何がMinimalの強みなるかを理解することができました。それは仮説をおいて打席数をこなし仮説のブラッシュアップを行っていくことでしか出来ませんでした。課題が整理できたので、その一つ一つを改善し、潰していく準備ができました。

今回のMinimal UX noteはここまでです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回は、いよいよ今回のシリーズの最終回・vol.3です。
事業としてのDX促進最大商戦であるバレンタイン向けての奮闘の様子をお届けします。2月10日頃の配信を予定しておりますので、楽しみにお待ちください。

■今回連載シリーズ「オンライン時代のD2CものづくりブランドのUX」
Vol.1はこちら
Vol.3はこちら

Minimalチョコレートのオンラインストア

*この連載の一つのトピックスでもあるUXの改善を進めたHPです。ぜひその視点でもご覧下さい。

Minimalバレンタインページ

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Minimal(ミニマル)は東京のチョコレート専門店です。世界中の産地を巡って仕入れたカカオから、職人が手づくりするチョコレートは国際品評会で4年連続・61賞を受賞。「MinimalのUX」をテーマに、私達が目指す最高の顧客体験について紹介したいと思います。