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今変えるべきブランドUXの話 -コロナ1年目と2年目の違い-(Vol.2)

コロナ禍という非日常が2年目に入り当たり前になってきた中で、明らかにお客様に購買習慣も変化していきました。

その変化を捉えながら、「コロナ禍2年目だからこそ、変えるべきブランドのUX」をテーマに全3話でお届けするMinimal奮闘記のVol.2

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明らかな変化を起こったのは2021年4月頃でした。
その変化は顕著に代々木上原店に起こりました。

例年は、3月14日ホワイトデーを過ぎるとチョコレート熱が一段落するタイミングで、従来は店舗もゆったりした営業になります。
しかし、代々木上原店ではお客様が途絶えることなく、平日も行列ができる状態が続きました。
(もちろん感染予防には最大限の注意を払いました。ありがたいことに2021年Minimal関係者でコロナ罹患者は0です)

店舗で買い物をしたいという普遍的な欲求

緊急事態宣言下で、人の動きが制限される中で、チョコレートやスイーツもECで買われるという流れが顕著に起こりました。その流れは一つの潮流として確かに根付いていったと思います。

一方で、「リアルな店舗にいって買い物がしたい、お茶がしたい」というお客様の欲求は無くなる事はありません。

店舗を単なる買い場で終わらせず、+αの体験が出来る場所にする

2021年は人の動きが制限される中で、確かにリアルな店舗に行きたいという欲求が起こりました。それは、昼間のカフェ営業している店舗にとっては救いの流れとも言えます。

しかし、一方で絶対に見逃していけないことは、Webで何でも買い物が出来き、下手すると翌日には品物が届く時代であると言うことです。
店舗で買い物するという意味を見直さないといけません。

4月以降もお客様が途絶える事がなく、連日行列ができる流れは店舗としては嬉しい流れでありましたが、当時の店舗のスタッフとの会話を思い出すとこの流れに少し懐疑的というか、一時のブームで終わるのではという危機感が強かったと思います。

そこで、店舗で行ったことは、大きく2つです。
①商品体験の更なる充実
②商品体験を充実させる+αのサービス体験の充実

説明のためガトーショコラのメニューという例でお話します。
テーマは「店舗でしかできない+αの体験」です。

①:ガトーショコラの食べ比べ
代々木上原店のメイン商品であるガトーショコラをスライスで食べ比べ出来るという唯一無二の体験。2種か3種のセットのみオンメニューさせていましたが、全部6種~8種あります。それを自由に増やす事が出来るようにしました。生菓子を含む事もあり、この食べ比べは店舗でしかできない体験です。

②:ガトーショコラとのペアリングメニュー
ガトーショコラの種類ごとにピタッと合うペアリングドリンクを提案しています。
・全国のロースターから厳選したスペシャルティコーヒー
・渋谷の茶葉屋GEN GEN AN幻からセレクトしたお茶
・新政酒造の日本酒、とおの屋要のどぶろく
・鎌倉の「Yorocco Beer」のクラフトビール
・ソムリエが選んだ赤白のワイン
特にホットで提供するものは入れ立てのドリンクとガトーショコラのその瞬間のペアリングを楽しんで頂き、お酒は全国から選りすぐった合うものを提供しました。


UX的観点1:店舗でしかできない顧客体験の場として店舗を再定義
お客様にとって来店する価値は何かを再定義し、ブラッシュアップする事が求められます。わざわざ店舗に行かないとできない体験を用意してお客様にその価値を伝える事が求められます。

店舗体験を起点して、リピートと口コミの流れを創り出す

店舗体験の充実のポイントは、理由は何せよ店舗に来て頂いたお客様に、
もう一度来たいと思ってもらう体験を提供する(=リピート)
誰かに伝えたくなる体験を提供する(=口コミ)
ことになります。

お客様を再度来て頂く、そして口コミで友達やお知り合いに来て頂けることがとても大事です。

ただ、これは言うは易し、行うは難しです。
どれだけ意図して設計しても意図通りには一筋縄ではいきません。

そこでMinimalが大切にしている事は、接客サービスです。
とても属人的な話ですが、店舗はリアルに人がいると言うことが、Webでの体験に対してまだまだ強みなり得ると思っています。

+αの商品体験やペアリング体験を提供する時に大事なことは、その説明体験であり、その体験のお客様との共有です。

スタッフは自らの言葉でその体験を説明します。その時にスタッフ自身が熱を込めて、自身の体験からその良さを伝える事が出来る事がとても大事です。これはWebではなかなか出来ない事かも知れません。

実際に店舗では、あるスタッフが熱を込めて、お客様に商品やペアリングのご説明をしていると、追加注文や、写真をとって頂きSNSに挙げてもらうなどの良い連鎖が起こっています。

UX的観点2:顧客体験にスタッフの接客という価値を+αする
店舗には人がいるという強みがあると捉えて、スタッフの経験からというある意味でオリジナルの説明を受けることで、店舗ででしかできない味わうことができないサービス体験を提供でき、お客様の顧客体験を豊かにすることが出来ます。スタッフ教育はもちろん、スタッフ自身が自社の商品を理解し、愛していることが大事です。

オンラインとオフラインのシームレスな顧客体験を目指す

店舗で+αの体験を提供できると、それがWebにもかえってくるという良い連鎖が起こります。口コミが発生して、SNSに投稿頂ければ、WebでUGCとして拡散されます。

コロナ禍で良くも悪くも、スイーツやチョコレートをWebで買うという習慣が広がりました。これからの洋菓子屋にとってWebを活用して行くという事は戦略上とても大事になります。(もちろん、あえてWebを利用しないという戦略も有りですが)

そう考えると、オンラインであるWeb(HP、EC、SNS等)とオフライン(店舗、催事、イベント等)を全体として以下に相互補完して、お客様にとってストレスのない買い物体験やブランド体験を届ける事ができるかがとても大きなポイントになります。

コロナ2年目でお客様の商習慣や生活スタイルが変わって行く中で、Minimalでは、オンラインとオフラインをシームレスに近づけて行くために、店舗体験を起点に大きな設計をし直し始めています。

ここまでの話を踏まえながら整理をすると、
①オンライン買い物体験の充実(サイトの改変など)、SNSの積極的配信
②店舗体験の充実による集客、口コミの創出
③Web上にUGCに、サイトやSNSで積極的にコミュニケーション
④店舗やWeb、SNSにお客様が来て頂ける(①に戻る)

とう良い循環のサイクルが回り始めます。

Minimalもありがたいことにこの流れをうまくつくる事が出来て、コロナ2年目は店舗もWebも順調に回復して、成長軌道に乗せることが出来ています。

UX的観点3:お客様にとって“きっかけ”はどこでも良い。
ブランド側からすると、店舗とWebは大きな違いあり、求められるスキルや能力は別の物です。しかし、お客様の視点に立つと、ブランドを知るきっかけはWebでも店舗でも、口コミでも、紹介でも、イベントでも何でも良いのです。大事な事は、お客様が知って頂いた瞬間にストレス無く、情報を届けたり、体験をして頂ける体制をつくっているかという事なんだと思います。そこで、ストレスなく、スムーズにブランド体験をお届けすることができればお客様がファンになって頂ける可能性が高まります。

本当の意味でOMOが求められる時代のブランド戦略

さて、Vol.2ではコロナ2年目で「店舗で買い物がしたい」というお客様の欲求から起こった来店の流れを、なんとか一時のブームで終わらせずに、Webの口コミやリピートに繋げるという試行錯誤をお伝えしました。

次回最終話のVol.3では、より具体的に、「オンラインとオフラインを連携させてシームレスにブランド体験を充実させる」ための施策をお届けします。

2月10日頃の配信を予定しておりますので、楽しみにお待ちください。

■今回連載シリーズ「今変えるべきブランドUXの話 -コロナ1年目と2年目の違い-」
Vol.1はこちら
Vol.3はこちら(2/10夜頃公開予定)

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