今変えるべきブランドUXの話 -コロナ1年目と2年目の違い-(Vol.1)
コロナ禍という非日常が2年目に入り当たり前になってきた中で、明らかにお客様に購買習慣も変化していきました。
その変化を捉えながら、「コロナ禍2年目だからこそ、変えるべきブランドのUX」をテーマに全3話でお届けするMinimal奮闘記のVol.1
2020年2月頃に突如襲ったコロナウィルスの影響で日常がガラッと変わりました。その初年度とも言える2020年は、オンラインでのサービス拡張をマーケ面、組織面、開発面で急スピードで進めてきました。
そして、その激しい変化の1年を経て、残念ながら2021年もまだまだコロナ禍は収まる気配が見えず。
しかしその前提でどうブランドとして対応していくかが2020年とは明らかに変わったという実感があります。
そんなコロナ禍2年目だからこそ見えたUXの進化の方向性を具体例を交えててお届けします。第1回は、Withコロナ時代のクラフトブランドの在り方として、Minimalの2021年を赤裸々に語ります。
「食べる体験+α」の+αまで提供する
Minimalでは、この2021年、大きく2つのテーマで新商品・新サービスを発売しました。
1つはオンラインスイーツに+αの価値をお届けすることです。
その最たる例が「おうちで本格クラフトスイーツ」というシリーズです。5月から11月にかけ、自宅でひと手間加えて楽しむことができるチョコレートスイーツを、2ヶ月ごと、計3種発売しました。
コロナ1年目はどの業界でもオンライン移行、通販の拡充が進められました。Minimalでもいち早く2020年3月からオンラインスイーツの拡充に舵を切っています。
実際に消費行動でもオンライン需要が伸びていることが調査からもわかっています。
オンラインでの購入が当たり前になったコロナ禍2年目となる2021年は、さらに一歩踏み込んだ価値をお客様に届けたいと考えました。
コロナ禍になり食材へのこだわりが増加したという調査があります。
そしてこだわりの増加の要因のひとつが、コロナ禍による娯楽の欠如のため。外出が減り日常における娯楽の機会が減った結果、食材のランクを一段上げるなどして、食事を1日の楽しみとしているケースも見られています。(詳しい調査結果は以下参照)
また料理すること自体が楽しくなったなど、日常生活での楽しみとして、食に関する事柄が占める割合が高くなっています。
美味しいものはイベントのときだけ、という人も多かったかもしれませんが、コロナ禍になり休日は自宅でちょっと贅沢をという人が増えました。
そこでオンラインで購入できることはもちろん、ご自宅でひと手間加えるだけで、お店で食べるような本格的な贅沢スイーツを楽しんでいただけたらと考えました。
スイーツは基本的に「食べる」ことに価値がおかれていますが、ひと手間加えることで、「食べるまでの前後のプロセス」を楽しむという新しい価値提供を考えました。
自分でリベイクしたり、ソースを追加したりアレンジすることで、焼き立てや出来たてが楽しめる。また、自分好みの味わいにすることも可能です。
おうちで本格クラフトスイーツについて、その設計意図について詳しくはこちらのnoteをご覧ください
いつもは仲の良い家族でも、ずっと同じ空間にいるとついイライラをぶつけてしまう、またひとり暮らしでずっと外出せずにひとりでいると、つい気持ちが塞ぎ込んでしまう、という方もいるでしょう。
そんなときに、ひと手間加えることでさらに美味しくなるスイーツがあったら。ひと手間の過程でコミュニケーションが生まれ、また、出来たてのように美味しい本格的なスイーツを食べることで、自然と笑顔が生まれます。
コロナ禍2年目となり、どのようにコロナと付き合っていくことが課題となっている今こそ、ご自宅で楽しめることはもちろん+αの体験をお届けできていれば嬉しいです。
閉塞感のある世の中だったからこそ、「ワクワク」をもっと届けることに括る
さらに+αの体験としてMinimalでは10月から新サービスのサブスク「CHOCOLATE ADDICT CLUB」を開始しました。
先述したように、チョコレートや、スイーツが持つ価値はただおいしいということにとどまりません。誰かにとっては会話のキッカケであったり、誰かにとっては気分を切り替えるスイッチであったりと、「美味しい」だけでなく、人を楽しくしたり、幸せにするという魔法のような力をチョコレートやスイーツは持っています。
従来のサブスクサービス「カカオツアー」という毎月3枚の板チョコレートをお届けするサブスクサービスでは、ユーザーアンケートなどから「1ヶ月では食べきれない」という課題がわかりました。これは単純に量が多いというよりは、食べるきっかけがない、という課題も大きいと認識しました。
そこで、届いたらすぐ食べたい!と思っていただけるような「届くまでのワクワク感、食べると溢れる多幸感」をメインの価値とした新サービスが必要でした。
さらに
・それを誰かと共有(一緒に食べる・SNSで共有する等)することで生まれる楽しい時間
・自分の気持ちを切り替える、上げるためのスイッチ
とした追加効能もお届けできればと考えました。
そこで、すぐ完売してしまうことが多いMinimalの最新作・限定品が毎月確実に手に入るサブスクを新たに開始しました。
コロナ禍で大切な人に会えない、外出ができないなど、多くのストレスを感じる中で、上質スイーツのサブスクサービスによって「月に1回、ワクワクする日」ができたら。
サブスクの設計意図について、詳しくはこちらをご覧ください。
情報の非対称性が無くなっていく時代に
3つ目のテーマは、素材・本質に改めてもっとこだわる、ということです。創業当初から変わらないことではありますが、2021年改めて重視しました。
この背景には、SNSなどにより情報が取得しやすくなったことが挙げられます。
ブランドは自社に関するあらゆる情報を、自社公式サイトをはじめ、SNS、またライブ配信などで直接消費者に届けることができます。また、店頭で得た情報などが、SNSをはじめとした口コミで広がっています。
こうしたブランド発信の生の情報を消費者が取得することができるようになることで、消費者が自分でブランドについて判断することができるようになりました。
また、コロナ禍での健康意識の高まりや、近年のエシカル志向の高まりなどから、素材を重視する声や、ブランドとして社会的役割を担えているかなどといった根本的な考え方を重視する人が増えています。
▼エシカル関心についての調査
コロナ禍での健康意識の高まりにより「質や素材にこだわっている物の方が安心」である。また「物の質や素材にこだわることで、豊かになれる感じがするという」調査結果もあります。
▼コロナ禍でのスイーツ購買調査
Minimalでは創業当初から、チョコレートの最小単位であるカカオにこだわり、世界各国の直接農家を訪れ質の良いカカオ豆をフェアトレード以上の価格で仕入れています。
シグニチャーの板チョコレートは、香料などは一切使用せず、高品質なカカオ豆と砂糖のみでお造りしています。
また、果実などの副材料にもこだわり、例えば復刻したブラッドオレンジとレモンの2種のセット「Minimal Orangette -Morning & Night-」は、厳選した国産(愛媛県産)果実を丸ごと使っています。
バレンタイン時期の限定商品「生ガトーショコラ -苺 from いちご家めい-」は、香川県の「いちご家めい」さんから特別に仕入れている、国内で1%程しか作られていない貴重な苺“女峰”を使っています。
この副素材である果実などを最大限活かせるのも、実はBean to Barならではの強みです。豆からチョコレートを造ることで、素材を活かすためにチョコレートの味わいを調整することができます。
何度も試作を繰り返すことで、素材それぞれに合わせて味わいを活かすオリジナルチョコレートを開発しています。
また、Miniamlでは、JICAとの取り組みや、廃棄されるカカオハスクの再利用など、アップサイクルな取り組みも行っています。(第3回で詳しくお話します)
コロナ禍により健康意識の高まり
情報の非対称性の緩和
上記2点の外部環境の変化により、SNS映えなどの見た目よりも、素材や材料の品質を重視する人が増え、Minimalのもともとの考え方に注目してくださる方が多くなりました。
豆から職人が手造りするクラフトブランドだからこそ
2021年のMinimalは以下を重視して商品をお届けしてきました。
次回は、店舗とオンラインストア、それぞれの相乗効果についてお話します。
■連載シリーズ「今変えるべきブランドUXの話 -コロナ1年目と2年目の違い-」
Vol.2はこちら
Vol.3はこちら(2/10夜頃公開予定)
Minimalチョコレートのオンラインストア
Minimal -Bean to Bar Chocolate-
引き算の哲学から生まれた、新しいチョコレート体験を。クラフトチョコレートブランド「ミニマル」のオンラインストアです。
Minimalバレンタインページ
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